亀戸駅・錦糸町駅間(徒歩 10 分)を 99 駅・ 8 時間 24 分かけて移動した話
こんにちは、 yosida95 です。
さて、鉄道ファンの間ではよく知られた話であるようですが、 JR では目的地まで複数の経路を選択できるような地域における乗車券の取り扱いを簡便にするため、予め設定された 大都市近郊区間 では乗車経路が重複しない(一筆書きという)限り、いかなる経路を利用して移動したとしても購入した乗車券の経路を利用したとみなすという特例が存在します。
「運賃計算の特例:JR東日本」 でも説明されている通り、この特例により実際の乗車経路に関わらず運賃が最安となる経路の乗車券を利用することができます。 特に IC 乗車券では自動的に最安経路における運賃が適用されるため、大都市近郊区間を日常的に利用する人は(知らず知らずのうちに)この特例を利用しているかもしれません。
鉄道ファンの間ではこの特例を最大限好意的に解釈して、初乗り運賃でいかに遠回りとなる経路を選択できるかを競う風習があり、これを大回り乗車というようです。
わたしも今回、亀戸駅から乗車し通常は徒歩でも 10 分で到達できる隣駅の錦糸町駅まで、 99 駅を経て房総半島を一周する経路を選択し 8 時間 24 分かけて移動してみました。
移動経路
移動経路を Google My Maps を使ってプロットしました。 鉄道路線ごとにレイヤーを分割しています。
- 中央・総武緩行線
- 13:20 発 亀戸駅
- 13:46 着 津田沼駅
- 13:51 発 津田沼駅
- 14:06 着 千葉駅
- 総武本線
- 14:14 発 千葉駅
- 14:59 着 成東駅
- 東金線
- 15:37 発 成東駅
- 15:57 着 大網駅
- 外房線
- 16:09 発 大網駅
- 16:22 着 茂原駅
- 16:38 発 茂原駅
- 18:04 着 安房鴨川駅
- 内房線
- 18:06 発 安房鴨川駅
- 18:49 着 館山駅
- 18:51 発 館山駅
- 20:27 着 蘇我駅
- 京葉線
- 20:31 発 蘇我駅
- 21:20 着 東京駅
- 総武本線
- 21:36 発 東京駅
- 21:44 着 錦糸町駅
きっかけ
なぜこのような苦行を実行したかというと大きく 2 つの理由があり、最大の理由がスマートフォンゲームの 「駅メモ!」 にハマったため、もう一つの理由が 「ひがし北海道フリーパスで4泊5日冬の北海道縦断旅行をした」 ことで単に鉄道に乗っていることが楽しいということに気づいたためです。
駅メモ!では他のユーザーが作成した乗車経路を共有する「メモリールート」という機能があり、そこで房総半島を一周するルートが共有されていたことから興味がわいてチャレンジしてみることにしました。
また、北海道で知った鉄道に乗る楽しみとして、地域によって異なる車窓の風景や車内の雰囲気を観察するというものがあり、今回もそれを楽しめるのではという目論見もありました。
感想
当初の目論見どおり楽しめました。 改札からは出ていないため派手な楽しさはありませんが、じんわりとした楽しさが長時間にわたって継続しました。
総武本線の成東駅では 40 分ほど電車待ちをして、着ていた黒いカーディガンに蜂が寄ってきてヒヤッとした場面もありましたが、終始うぐいすの鳴き声が聞こえていたことが印象的で、とてものどかでクラシックな雰囲気の駅でした。
その成東駅から乗った東金線は全区間単線で折り返し運転をする 5 つしか停車駅がない路線なのに、一面の田畑から、開発された住宅街まで風景が目まぐるしく変わるほか、ほとんどが地元の人なのか、乗客もまばらでゆったりとした雰囲気が心地よかったです。
内房線から京葉線に乗り換え、最初はまばらだった乗客も海浜幕張駅で座席が埋まる程に増え、さらに舞浜駅ではディズニー帰りと思われる傾いた格好した人たちが大挙して乗り込んでくるなど、わずか 1 時間足らずの乗車時間なのに景色にとどまらず車内の雰囲気まで目まぐるしく変遷する様がとてもおもしろかったです。
ただ、全行程を通して、この一週間の厳しい暑さから一転した涼しい陽気で夜には雨も降り出したことから、車内やホームでじっとしていることが寒くてしんどかったことが難点でした。 駅構内の自動販売機のラインナップが夏仕様に入れ替わっていて、どこを見ても冷たい飲み物しか無いことも寒さに拍車をかけました。
また、ターミナル駅のような特に大きな駅でない限り売店が改札内にないため、予め食べるものを持ち込めばよかったという教訓を得ました。 夕方ごろには低血糖に苦しんだため、自動販売機で購入した甘いココア(ただし冷たい)を飲んでなんとかしのぎました。
なお、駅メモ!ではこれまでの最高スコアを稼ぎ、かつ最高ランクを獲得できました。