2 級知的財産管理技能士になりました
はじめに
こんにちは、 yosia95 です。
去る 7 月 21 日に実施された国家試験に合格し 2 級知的財産管理技能士になりましたのでご報告します。
知的財産管理技能士とは、特許・実用新案・著作権などの権利や独占禁止法・不正競争防止法についての知識を基に、弁理士や弁護士と連携して自身や自社の知的財産を保護・活用する能力を知的財産管理技能検定により国家が証明する国家資格です。
なお、知的財産管理技能士は業務独占資格ではなく名称独占資格であるため、わたしがこの資格によりできることは「 2 級知的財産管理技能士」を名乗ることのみです。
やったこと
実務経験要件の確認
知的財産管理技能検定では 1 級から 3 級までの区分があり、 3 級は受検資格に制限がない一方で、 1 級と 2 級には下位級の合格もしくは実務経験またはその両方が受検資格として課せられます。 受検資格として認められる実務経験とは「知的財産の創造・保護・活用のいずれかに係る業務に携わった経験を指します。」(出典: 実務経験について)とされています。
これについて、わたしが現職で実施しているソフトウェアの設計・開発およびウェブサイトの制作が該当するかが判然としなかったため、知的財産教育協会に問い合わせました。
気になることがあってとある協会にきのう送った問い合わせに期待通りの回答が得られて最高
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) March 25, 2019
参考書の音読
ここからは前回 ファイナンシャル・プランニング技能士になった 時と同様で、参考書の音読をしました。 知的財産管理技能検定を知ったのは 2 年前に Facebook の友達による受検報告を見かけたことがきっかけで、参考書はその直後に立ち寄った本屋さんで購入したものの、1 度も開かずに書店のブックカバーを被ったまま本棚で眠らせていたものがあったので、ようやく今回の受検に際して活用することができました。
時間を潰すために寄った本屋で、これまで名前しか知らなかった資格の参考書を眺めていたらその気になり、うっかり買ってしまったのでやっていくぞ
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) May 7, 2017
ただ、 2 年前に購入した、現在から 3 年前の法律を前提として解説されている本であるため、 TPP 発効に伴う著作権保護期間の延長や著作権侵害の非親告罪化、地理的表示など法改正や新しい制度についての解説がなく、そこは文化庁や農林水産省など担当官庁のウェブサイトから情報を得ました。
読んでいる本が古くて過去 3 年分くらいの法改正を反映していない……
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) July 20, 2019
勉強の様子です。
J-PlatPat を検索したところ「サトウのごはん」は商標登録されていないが、サトウの鏡餅のパッケージは立体商標として登録されているという知見を得た。
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) July 14, 2019
東京都がバンクシーによるものと思われる落書きを展示する行為について、これは日本国内における著作なので日本国の著作権法によりバンクシーが保有する著作者人格権の公表権については、落書きが東京都に対して原作品を譲渡とする行為とみなされ公表の同意があるものとして処理されるのでしょうか
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) July 17, 2019
そもそもバンクシーによる公共物への落書きが著作権法における公表として扱われる場合は、作者自身が公表権を行使したという事になりこの懸念は当たらなく、そして落書きという行為が原作品の譲渡であるならばその所有者たる東京都が現作品を展示することは展示権が制限される場合にとなるのでしょうか
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) July 17, 2019
“🔭 著作物に表現された思想又は感情の享受(桑原俊) – 早稲田大学知的財産法制研究所[RCLIP]” https://t.co/fuyv2CUeuU
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) July 19, 2019
ライオン株式会社はその商標である LION を回転した NO17 を商標登録していますが、わたしの知る限り過去 3 年間に国内でこの商標を使用しておらず、これは不使用による登録取消事由に当たるように思えるのですが、実際のところどうなのでしょうか https://t.co/5mbtWPt40c
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) July 19, 2019
法律の解説に日本語として不自然な逆説があって気になって調べてみたら、解説が実際の規定と正反対のことを書いていることがわかっておいおい……となった回
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) July 20, 2019
"除斥期間" / 1件のコメント https://t.co/VIBrnDWWSD “法律用語解説~新銀座法律事務所” https://t.co/Phyf9TSgpp
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) July 20, 2019
商標登録は掲載公報の発行から 2 ヶ月以内であれば異議申立、過誤登録について 5 年の除斥期間内であれば取消審判を何人でも利用でき、また権利者であれば無効審判を提起できます。登録商標の指定商品・役務が異なる場合でも「著名商標」として認められる場合には取消・無効事由になることがあります。
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) July 22, 2019
出願公開制度のないパリ条約加盟国で商標出願した上で、第三国で優先権を主張して権利化する手口は上手いな "Apple Inc.は、リヒテンシュタインの他にジャマイカにも優先権主張の基礎となる商標登録出願を行っています" / “商標登録出願を秘密にすることはできますか? | …” https://t.co/TFg4e5t4e6
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) August 1, 2019
なお、今回もタスクを先延ばしにする悪癖により勉強を開始したのは受検 6 日前の 7 月 15 日からでした。
基本的に怠惰な上に経験からすら学ばない愚者なのに記憶力と要領のよさだけでここまで生き残ってしまい、剰えセルフハンディキャピングに対しても成功体験を積み重ねてきてしまったために生存バイアスが強いことがコンプレックスにも関わらず努力を覚えられずに、いまや能力の自転車操業じみてきた……
— Kohei YOSHIDA (@yosida95) August 13, 2019
過去の検定問題
知的財産管理技能検定のウェブサイトで 過去 3 年分の検定問題と正答が公開されている ので、これを解いて理解を確かめました。
ただ、いかんせん準備期間が足らなかったため、実際には最新 1 回の学科試験を前日夜に解き、当日の昼と受験会場に向かう電車の中で最新 1 回の実技試験を解いたのみでした。
そのようにしていたら、会場に向かう電車で左隣に座った方と、そのさらに左隣の方も同様に「知財検定」と書かれた参考書を眺めていたので、彼女たちは恐らくわたしよりも準備をしているだろうけれど、それでも結局やることは同じなのだなと思って面白くなってしまいました。