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将来の夢はおもしろお兄さんです。

ErgoDox というキーボードを買った

ErgoDox EZ

はじめに

こんばんは yosida95 です。

最近、 ErgoDox というキーボードがにわかに流行り始めています。

ErgoDox: Split Ergonomic Keyboard

このように、 ErgoDox を購入したユーザーが次々にブログエントリを公開しています。

わたしも流行に便乗して ErgoDox を購入したので、今日はその話をします。

ErgoDox

ErgoDox とはエルゴノミクスデザイン、つまり人間の構造や特徴を考慮した設計をすることで、従来のキーボードとくらべて自然な姿勢や運指で扱うことができ、その結果疲れや負担が軽減されるというキーボードです。 エルゴノミクスデザインのキーボードは昔から広く販売されていますが、 ErgoDox の特徴として左右セパレートであることとオープンソースであることが挙げられます。

左右セパレートであることの利点は、腕を開いて胸を張った自然な姿勢で利用できることです。

両足を床に付け背筋を伸ばして椅子に座った状態から、セパレートでないキーボードを利用する姿勢に移行してみてください。 肩を内側にすぼめ、背筋も猫背になったはずです。 そのままゾーンに入れば、2、3時間は指以外微動だにしない状態が続くわけです。 それは肩だって凝るわ、ということが分かります。

ErgoDox のように左右がセパレートであるキーボードを利用すれば、背筋を伸ばして胸を張った状態で自然にキーボードを利用できるようになります。

次に、オープンソースであることです。 ErgoDox は、そのデザインからファームウェアに至るまですべてがオープンソースで公開されています。 特にファームウェアがオープンソースであるということの利点が大きく、例えば自分でファームウェアを改変して好みのキーマップにすることだってできるのです。

きっかけ

ソフトウェアエンジニアという職業柄、毎日何万文字もタイプするので、元来キーボードにはこだわりがありました。 そんなわたしは4年前から一貫して Happy Hacking Keyboard Professional2 を利用して来ました。 これは、心地よい打鍵感とコンパクトなボディ、そして無刻印モデルがあることが気に入ったためです。

しかし昨年のことです。 親指の付け根に腱鞘炎を患い、親指を包帯で固定しないと痛みでキーボードを叩けない状態になりました。 その原因として真っ先に思い当たった事が、親指を内側にくぐらせる運指です。

Happy Hacking Keyboard を含め、流通しているキーボードの配列はたいていの場合長いスペースバーの隣に Alt キーや Cmd (Windows) キーが配置されています。 ホームポジションを維持したままこれらのキーを押す時、とくにキーボードショットカットを利用するためにこれらのキーを含む複数のキーをホールドする時に、親指を内側にくぐらせる運指をしがちです。

腱鞘炎からは回復したものの、このキー運指を繰り返している限りは再発しかねないと思っていた最中に出会ったキーボードが ErgoDox でした。 ErgoDox には長いバーはありません。 代わりに左右の親指が来る位置にそれぞれ複数のキーが配置されています。 そのため、親指をくぐらせる運指をすること無く、親指を活用して自然に複数のキーをタイプすることができるのです。

購入方法

ErgoDox は先ほど述べたとおりオープンソースのキーボードです。

公開されている ErgoDox の仕様を元に、海外では複数のサイトが ErgoDox を構成するパーツを販売しています。 また、自分で選んだパーツをアセンブリした完成品の状態で発送するサービスを提供しているところもあります。 それらについて詳しくは、「 ergodoxを買いました | kammers」がとても参考になります。

ただ、どのパーツを選べばよいのか、適切でないパーツを選んでしまわないか、すべてのキーについて半田付けを上手にできるかなどの不安があるかもしれません。 わたしもそうでした。

そこで調べた所、 INDIEGOGO でクラウドファンディングを成功させた ErgoDox EZ が目に止まりました。 こちらは、 ErgoDox を完成品として製品化したもので、購入する上で選択する必要があるオプションは「キーボードをティルトさせるための脚をつけるか」と「キースイッチをどれにするか」だけです。 また、バラバラのパーツをそれぞれ組み合わせる場合に比べて、デザインに統一感があり、高級感もあります。 さらに ErgoDox EZ のロゴが入ったオリジナルのリストレストも入手することができます。 とにかく ErgoDox が欲しいという場合には、 ErgoDox EZ がオススメです。

3月29日に INDIEGOGO のサイトから、ティルトの脚付きでリストレストとセットの “ErgoDox EZ Bundle: Blank” を発注しました。 その日の内にキースイッチを選択して欲しいと、回答フォームのリンクが添付されたメールが送られてきました。 キースイッチを選択した後は、向こうから一切のインタラクションがなく、4月19日になって UPS から「荷物を預かったので発送する」というトラッキングナンバー付きのメールが届きました。 台湾から発送されて、一度中国の深センを経由してから成田空港より入国して、翌20日の昼過ぎに東京都千代田区のわたしの手元に届きました。 送料は 1,300 円でした。 発注から3週間で手元に届きました。

使用感

ErgoDox の利点は最初に述べたとおりです。 ErgoDox を長い時間使うほど、その利点が肩や指の疲労感として実感できます。

また、チルトするための脚が3点にあることがとても便利で、腕を内側にひねることなく、さらに自然な姿勢でキーボードを操作できます。

ErgoDox Tilt Kit

打鍵感は Happy Hacking Keyboard と同じ押下圧 45g の赤軸を選択したため、違和感なく乗り換えることができました。 キートップの質感についても、 Happy Hacking Keyboard と遜色ありません。 打鍵音は ErgoDox の方が若干静かに感じます。

ただし、 ErgoDox のデフォルトのキーマップは到底便利とは言えません。

ErgoDox EZ Default Firmware Keymap

引用元: ErgoDox EZ: An incredible mechanical keyboard

例として、 Q キーの左隣の Tab キーがあって欲しい場所に Delete があったり、 A キーの左隣の Ctrl キーが有って欲しい場所に Backspace があります。 もっとも、 ESC キーがメジャーなキーボードのチルダが配置される場所にある Happy Hacking Keyboard を不自由なく4年間使っていたので、慣れによるところが大きいと思います。

しかし思い出して下さい。 ErgoDox の特徴は、すべてがオープンソースであることです。 従って、OS 側でキーマップを再割当てするなど面倒なことをせずとも、ファームウェアを書き換えることによって自由自裁にキーマップを変更できるのです。

わたしは、 ErgoDox EZ を受け取ったその日の内にファームウェアを書き換えて自分好みのキーマップを作りました。 現時点でのわたしのベストは yosida95/qmk_firmware です。

yosida95 keymap for ErgoDox EZ

ファームウェアを書き換えると言っても、キーマップを書くだけなら特別 C や組み込み系に精通している必要はありません。 README とそこからリンクされている各ドキュメントに一通り目を通せば、何をすればよいかということは把握できます。 あとは各キーに対応する配列データの各要素にキーコードを置いていくだけで、どうってことはありません。

どうしても C を書きたくない場合は、 Massdrop の ErgoDox Layout Configurato を利用すれば、どのキーにどのキーコードを設定するかを選択するだけでカスタマイズしたキーマップのコンパイル済ファームウェアをダウンロードすることもできます。

そんな感じで、最初から自分好みのキーマップにしたこと、もともとキーボードの QWERTY 部分についての運指は左右が教科書どおりに綺麗に分担していたことで、非セパレートからセパレートに乗り換えた事の影響はありませんでした。 ただ、職場の同僚2人がわたしの ErgoDox EZ を試した所、「自分にはまだ早すぎた」と言っていました。

まとめ

ErgoDox EZ を使うことで、疲れや痛みなどに気をとらわれる事なく、ソフトウェア開発に集中することができます。 すでに肩こりや腱鞘炎に悩んでいる場合も、 ErgoDox を使うことで軽減させられる余地があります。

超オスでなくとも、左右セパレートしているキーボードであるところの ErgoDox の恩恵に十分預かることができます (参考: 漢(オトコ)のコンピュータ道: あの超オスもセパレート式キーボードを使ってるらしい(ErgoDoxじゃないけど) )。 医者には低体重といわれ、 CT スキャンを撮れば皮下脂肪がほとんど無いと言われた、このわたしでもです。

そんな感じで、 ErgoDox は本当によい買い物でした。 なお、 ErgoDox EZ は会社においてきたため、この記事を書くために使っているキーボードは Happy Hacking Keyboard であることは秘密です。

こちらからは以上です。