No Title (近況報告)

例えば、お母さんに料理や手芸を習っていた子が、技術の更なる向上を望んで3年間でそれらを学ぶ教室に入った。

しかし初回の授業で入門以前の事をやられ違和感を持つ。 二回目以降もその状況に変わりはなかったが、二年目からは各自の希望と特性に応じてコース分けがされるのでそれに期待してモチベーションを保った。

いざ待ちに待った二年目が始まって彼女は自分が希望したコースで学べる事になったが、授業の内容は一年時と何ら変わりがなかった。 このままのペースで行くと卒業時までに何ら新しい事を学べない可能性が少なからずあることに気づく。 その事によりこれまで何とか繋いできた糸がプツンと切れてしまった。

自宅にいる自由な時間で技術の向上を図るが、通学にかかる時間や、進級に圧倒的影響を持つ絶対にやらなければならない課題をこなす時間がかかることと、そもそも授業自体の時間が長いことによって、取れた自由な時間は糞の足しにもならないことに彼女は絶望した。